相続申告の報酬は税理士によって違うの?

Q:相続税申告の報酬はどの税理士事務所に依頼しても同じような料金でしょうか?それとも税理士事務所によって大きな違いがあるのでしょうか? slれそそそれとも

A:税理士事務所によって報酬規程は全く違います。遺産内容によっては金額がかなり変わる場合もあります。したがって報酬が高額になることが多い相続申告では報酬の根拠を十分に説明してもらえる税理士事務所にご依頼されることをおすすめします。

報酬は『遺産額の何%』で本当にいいのでしょうか?

相続税申告の報酬は『遺産額の何%』と規定している場合が多いです。しかし、『遺産額の何%』という料金体系では遺産の内容まで加味されていない場合が多く、不公平なケースもあると言えます。例えば、同額の遺産であっても評価するのに知識や時間を要する土地と額面がそのまま評価額になる預貯金を同じ率で計算するのは適正であるとは言えません。遺産額が同じ1億円でもほとんどが預貯金や有価証券などの金融資産中心の方とほとんどが土地である方ではかける時間もノウハウも全く違ってくるからです。

また、『遺産額の何%』というやり方だけでは、税理士が知識や時間をかけて評価額を減らせば減らすだけ自分の報酬を減らすという矛盾が生じてしまいます。これでは依頼者の利益と担当する税理士の利益が一致しないため最良の結果にならないことも考えられます。とくに土地などは節税効果を個別に判定して報酬額を決めるべきだと考えます。

『納得できる報酬規程』無くして『満足できる相続申告』は無し

相続業務を日常的に行っている税理士事務所は、様々なケースの依頼を受けるため相続報酬の料金体系も詳細かつ明朗です。したがって依頼する前の段階でかなり詳細に料金の説明をしてもらえます。『相続財産の計算をしてみないとわからない』という事務所は避けるべきでしょう。結果的に『遺産額の何%』などと費用の見当をつける場合であっても、その報酬額に至るプロセスを詳細に説明してもらえる税理士事務所を選ぶと料金だけでなく品質も満足できる結果になると思います。

遺産がマイホームと預貯金だけの方には割安のプランもあります

税理士事務所の相続報酬は会社オーナーや地主の方の相続を想定しているケースが多いと思われます。したがって、遺産がマイホームと預貯金だけの方や、所有不動産はなくすべて金融資産である方などにとっては割高な料金になる場合もあるようです。遺産内容や遺産ボリュームに応じて選択できる複数のプランが用意されている税理士事務所を選ぶとよいでしょう。 

この記事を書いた人 税理士 和田武史

和田税理士事務所代表
税理士事務所勤務時代から相続業務を中心に携わる。
相続業務の経験はおおよそ 20 年。「顧客が相続に詳しい税理士に直接質問したい」というニーズに応えるために、相続の顧客対応を部下に任せずに自ら行うのがモットー。
他の事務所の説明に納得できない方の相談でも、税理士自らが真剣にお答えします。

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