平成26年度税制改正大綱決定。『相続取得土地の売却非課税が縮小』など。(第18回コラム)

平成26年度税制改正大綱が、12月12日に決定されました。

その中で、相続で取得した土地を3年以内に売却した場合の非課税規定が縮小され、課税が強化されます。その他、ゴルフ会員権の売却損の損益通算の廃止など、相続・不動産関連の主な改正項目は以下のとおりです。

 

相続した土地を売却した場合の所得税非課税が縮小されます。

相続した土地を相続税の申告期限から3年以内に売却した場合には、その土地の売却益に課税される所得税の計算上、その土地を相続する際に課税された相続税を取得費(経費)として控除することができます。その際、控除できる金額はこれまでは相続した全ての土地に対応する相続税が対象でしたが、今回の改正により、売却した土地に対応する相続税のみが対象となり、所得税が増税されます。

この改正は、平成27年1月1日以後の相続開始分から適用されます。

相続が既に発生している場合と来年の相続発生分は今まで通りの計算が可能です。

 

ゴルフ会員権の売却損が損益通算不可になります。

含み損のあるゴルフ会員権を売却してその損を給与所得等と相殺し、所得税の減額や還付を受けることが可能でしたが、今回の改正によりそれらが不可能になります。

この改正は、平成26年4月1日以後の売却分から適用されます。

含み損のあるゴルフ会員権をお持ちの方は来年3月末までに売却すれば有利です。

 

給与所得控除額が縮小されます。

給与所得控除額の縮小は平成24年度の改正で1,500万円の上限が設定されましたが、今回、さらにその上限が引き下げられることになります。

不動産を法人化している場合は役員報酬が増税されますのでご注意を。

上限の引下げと引下げ時期は次の通りです。 

  現行

平成28年分の
所得税(注1)

平成29年分以後の
所得税(注2)

上限額が適用される
給与収入

1,500万円 1,200万円 1,000万円

給与所得控除の
上限額

245万円 230万円 220万円

(注1)個人住民税は平成29年度分に適用
(注2)個人住民税は平成30年度分から適用

 

不動産賃貸業の消費税が増税されます(簡易課税の場合)

消費税率は平成26年4月1日から8%へと増税が決定していますが、今回の改正では簡易課税制度のみなし仕入率について見直しが行われます。

不動産賃貸業や仲介業で課税事業者(課税売上高1,000万円以上)の場合において、簡易課税制度を選択しているとき(課税売上高5,000万円以下)のみなし仕入率が見直されて消費税が増税されます。不動産業以外に金融業及び保険業もみなし仕入率が見直されます。

みなし仕入率の見直し

  現行 改正後
不動産業 50%(第5種事業) 40%(第6種事業)
金融業及び保険業 60%(第4種事業) 50%(第5種事業)

この改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間について適用されます。

 

復興特別法人税の1年間前倒し廃止

復興特別法人税の課税期間を1年間前倒しして終了することとされます。

不動産を法人化している場合には1年分減税になります。

 

この記事を書いた人 税理士 和田武史

和田税理士事務所代表
税理士事務所勤務時代から相続業務を中心に携わる。
相続業務の経験はおおよそ 20 年。「顧客が相続に詳しい税理士に直接質問したい」というニーズに応えるために、相続の顧客対応を部下に任せずに自ら行うのがモットー。
他の事務所の説明に納得できない方の相談でも、税理士自らが真剣にお答えします。

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