二世帯住宅と老人ホームの『小規模宅地の評価減』適用の見直し(第8回コラム)

二世帯住宅は税務上、親子が同居していることになるのか?

    被相続人(親)の自宅の敷地を相続する場合に、その敷地のうち240㎡までの部分について8割引きが可能な小規模宅地の評価減は、その相続をする子が親と同居していることが条件となります。それでは、二世帯住宅で暮らす親子の場合、この規定上、親と同居していることになり、その二世帯住宅の敷地について小規模宅地の評価減を適用することは可能なのでしょうか?

平成25年度税制改正での二世帯住宅の取り扱いの見直し

  改正前の税制では、構造上区分されていて内部で行き来ができない二世帯住宅については親子同居とは認められず、子が相続した場合には二世帯住宅の敷地について小規模宅地の評価減を適用することができませんでした。(但し、『親が単身である』など一定の要件を満たせば適用可)

   しかし、平成25年度税制改正平成26年1月1日以後の相続については、二世帯住宅が内部で行き来できるか否かにかかわらず、子は親と同居しているものとしてその敷地について8割引きの適用が可能になります。

 実家の相続について節税をお考えの方は二世帯住宅で親と同居する選択もありではないでしょうか?

被相続人が老人ホームに入所していた場合の小規模宅地の評価減の適用は?

   小規模宅地の評価減は被相続人が居住の用に供していた宅地(自宅敷地)に対して適用可能ですが、被相続人が相続開始時に老人ホーム等に入所していた場合には、その自宅を居住の用に供していたと言えるかどうかが問題となります。

   介護のための入所であれば、治療のために病院へ入院するのと同様、その入所を一時的なもの と考え、引き続き自宅を生活の拠点として8割引きの適用が可能です。しかし、介護のための入所であっても、老人ホームなどへの入居一時金が終身利用権に該当すれば生活の拠点を老人ホームに移したものとして、特例の適用はできません。

平成25年度税制改正での見直し

   平成25年度税制改正で平成26年1月1日以後の相続については、被相続人が相続開始時に老人ホームなどに入所していた場合においては

1.介護が必要なため入所した。

2.自宅を貸付などの用途にしていない。

   以上の要件を満たせば被相続人が相続開始時に終身利用権付の老人ホームに入所していても8割引きの適用が可能になります。

この記事を書いた人 税理士 和田武史

和田税理士事務所代表
税理士事務所勤務時代から相続業務を中心に携わる。
相続業務の経験はおおよそ 20 年。「顧客が相続に詳しい税理士に直接質問したい」というニーズに応えるために、相続の顧客対応を部下に任せずに自ら行うのがモットー。
他の事務所の説明に納得できない方の相談でも、税理士自らが真剣にお答えします。

無料相談のご予約

フリーダイヤル(携帯・PHSでもどうぞ)

0120-34-7109

無料相談電話受付 平日・土曜9:30~18:00

面談時間 平日・土日祝日9:30~21:00対応(要予約)

24時間受付

ページトップへ