税制改正により相続税が増税されます。あなたの相続税対策は大丈夫ですか?(第1回コラム)

平成25年税制改正

平成25年度の税制改正関連法案が3月29日国会で可決成立しました。

相続・贈与課税で2,420億円の増税が見込まれています。

これまで行ってきた生前対策も改正の影響を考慮した点検が必要になります。

各規程の適用開始時期にご注意を。

相続税の見直し

1.基礎控除の引下げ(平成27年1月1日以後適用)

(現行) (改正)
5,000万円+1,000万円×法定相続人 3,000万円+600万円×法定相続人

2.税率構造の見直し※見直し部分のみ記載(平成27年1月1日以後適用)

(現行) (改正)
法定相続人の法定相続分相当額 税率
2億円超3億円以下の金額 40%
3億円超の金額 50%
法定相続人の法定相続分相当額 税率
2億円超3億円以下の金額 45%
3億円超6億円以下の金額 50%
6億円超の金額 55%

3.未成年者控除・障害者控除の見直し(平成27年1月1日以後適用)

  (現行) (改正)
未成年者控除 6万円×20歳に達するまでの年数 10万円×20歳に達するまでの年数
障害者控除 6万円(特別障害者12万円)
×85歳に達するまでの年数
10万円(特別障害者20万円)
×85歳に達するまでの年数

4.小規模宅地特例の見直し

  • 特定居住用宅地等の適用対象面積の上限を330㎡(現行240㎡)に拡大
  • 現行、限定的に併用が認められている特定居住用宅地等と特定事業用宅地等について、完全併用(それぞれの限度面積(居住用330㎡、事業用400㎡))に適用を拡大(貸付用を除く)

以上、(平成27年1月1日以後適用)

  • 二世帯住宅については、内部で行き来ができるか否かにかかわらず、同居しているものとして、特例適用が可能に。
  • 老人ホームに入所したことにより被相続人が居住しなくなった家屋の敷地については、以下の要件で、相続開始の直前において被相続人が居住していたものとして、特例適用が可能に。
    (1)被相続人に介護が必要なため入所したものであること。
    (2)貸付けなどの用途に供されていないこと。

以上、(平成26年1月1日以後適用)

贈与税の見直し

1.税率構造の見直し(平成27年1月1日以後適用)

(現行) (改正)
贈与税の課税価格 税率
200万円以下の金額 10%
300万円  〃 15%
400万円  〃 20%
600万円  〃 30%
1,000万円 〃 40%
1,000万円超の金額 50%
1.20歳以上の者が直系尊属から
贈与を受けた場合
贈与税の課税価格 税率
200万円以下の金額 10%
400万円  〃 15%
600万円  〃 20%
1,000万円 〃 30%
1,500万円 〃 40%
3,000万円 〃 45%
4,500万円 〃 50%
4,500万円超の金額 55%
2.上記1.以外の場合
贈与税の課税価格 税率
200万円以下の金額 10%
300万円  〃 15%
400万円  〃 20%
600万円  〃 30%
1,000万円 〃 40%
1,500万円 〃 45%
3,000万円 〃 50%
3,000万円超の金額 55%

2.相続時精算課税制度の対象者の見直し(平成27年1月1日以後適用)

  (現行) (改正)
受贈者 20歳以上の推定相続人 20歳以上の推定相続人及び孫
贈与者 65歳以上の者 60歳以上の者

3.教育資金の一括贈与に係る非課税措置(平成25年4月1日から平成27年12月31日まで)

子・孫に対する教育資金の一括贈与に係る贈与税について、子・孫ごとに1,500万円までを非課税とする措置の創設

〈制度の概要〉

  • 祖父母(贈与者)が、金融機関に子・孫(受贈者)名義の口座等を開設し、教育資金を一括して拠出した場合、この資金について、子・孫ごとに1,500万円までを非課税に。
  • 教育費の具体的な範囲は、学校などへの入学金や授業料、学校以外の塾や習い事の月謝等とし、学校以外の者に支払われるものについては500万円を限度とする予定。詳細は今後、文部科学大臣が決定
  • 教育資金の使途は、金融機関が領収書等をチェックし、書類を保管。
  • 子・孫が30歳に達する日に口座等は終了。使い残しがあれば贈与税を課税。

この記事を書いた人 税理士 和田武史

和田税理士事務所代表
税理士事務所勤務時代から相続業務を中心に携わる。
相続業務の経験はおおよそ 20 年。「顧客が相続に詳しい税理士に直接質問したい」というニーズに応えるために、相続の顧客対応を部下に任せずに自ら行うのがモットー。
他の事務所の説明に納得できない方の相談でも、税理士自らが真剣にお答えします。

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