会社に対する貸付金もそのままでは相続財産になってしまいます(第17回コラム)

相続が発生すれば会社に対する貸付金にも相続税が課税されます

会社オーナーが自分の会社に対して資金を貸付けているケースは少なくないと思います。会社の資金が不足すれば当然個人のお金を入れることになるでしょう。しかも、個人的に投入したお金は返してもらえずにそのままになっていることも多く、会社への貸付を繰り返しているうちにその残高が相当な金額になってしまっているケースも散見されます。しかし、この様に会社の決算書にオーナーからの借入金が残っていても普段は税務上、特に問題になることはありません。ただし、債権者であるオーナーに相続が発生した際はその貸付金が相続財産になってしまうので注意が必要です。しかも貸付金は少しずつでも回収の可能性がある場合は貸付金残高がそのまま相続税評価額になりますので相続税は一括で負担しなければなりません。

 

貸付金が回収困難な場合の対策は?

相続財産である貸付金の評価は回収できる金額で評価します。すなわち、回収できないものにまで相続税は課税されません。ただし、相続申告で回収不可能なものとして税務的に認められるには客観的に判断できる根拠が必要です。事実、この貸付金については税務当局とその評価をめぐってトラブルが多く発生しています。

そのため、多額の会社貸付金が残っている場合には相続の際のトラブルを避けるためにも事前に対策をしておく必要があります。その対策の一つが債務免除です。ただし、会社が債務免除を受けると債務免除益が計上され、その債務免除益が損失(税務上の繰越欠損金を含む。)を超える場合には法人税が課税されるなど、実行するには事前の検証が必要になります。

また、会社が実質的に機能していない場合には会社を解散するのも一つです。事業を止めて解散した会社からは返済を受けることなどできないからです。

 

生前対策をしないまま相続が発生した場合は?

上記で述べた生前対策をしていない場合には相続財産として貸付金を評価する必要があります。しかし、その様な場合であっても、回収不可能なものについては相続後でも上記の方法などにより、相続財産にしないことも可能なケースがあります。
相続が発生し、会社貸付金でお悩みの方は個別に当事務所までご相談ください。