親と同居すれば相続税が有利に?『小規模宅地の評価減』とは?(第7回コラム)

小規模宅地の評価減とは

   被相続人の自宅敷地や自己の事業に使っていた敷地、不動産貸付用の敷地(賃貸マンションの敷地や駐車場など)を相続する場合は、一定の要件の下、それぞれの用途に応じて、その土地の評価額から下記の減額をすることができます。

 

用途 限度面積 減額割合
自宅の敷地 240㎡までの部分 80%減額
自己の事業用の敷地 400㎡までの部分 80%減額
不動産貸付用の敷地 200㎡までの部分 50%減額 

 

自宅敷地の相続は8割引きになる!?

   被相続人の自宅敷地を相続する場合には240㎡(約70坪)までの部分は相続税評価額が8割引きになり、相続税額が大きく減額されることになります。

   ただし、自宅敷地を相続したすべての相続人がこの規定を使えるわけではなく、誰が相続するかにより、その適用の可否が変わってきます。

 

8割引きが適用できる相続人とは?

   被相続人の自宅敷地を配偶者同居している子が相続した場合には小規模宅地の評価減の規定が適用できます。ただし、同居している子が相続した場合は相続税の申告期限までその自宅を保有し、住み続ける必要があります。なお、配偶者が相続した場合は相続後すぐに売却しても適用できます。

   また、同居していない子が相続した場合でも適用が可能な場合があります。それは、被相続人である親が一人暮らしであった場合で、その非同居の子がマイホームを持っていないときです。この場合、非同居の子は相続後も実家に居住する必要はありませんが、相続税の申告期限まで保有し続ける必要があります。また、マイホームを持っていないという要件は非同居の子の配偶者も対象であり、さらに相続開始前3年間という要件もあります。

 

同居することが相続税対策に?

   親と同居していない子は上記の場合を除き、この特例を受けることができません。仮に、父の相続時に母が相続して特例をつかえたとしても、母の相続時には評価額は元に戻り、8割引きは使えずに相続税の負担が増えます。   したがって、自宅の相続につき小規模宅地の評価減をつかうためには親と同居しておく必要があるのです。

   ただし、同居していない場合にも上記事例での母の相続時に子がマイホームを持っていなければ特例をつかうことができます。

   したがって、非同居の場合で自宅の相続につき小規模宅地の評価減をつかうためには自身と配偶者も含めてマイホームを持たないか、持っている場合は売却するか貸すかする必要があります。この場合でも、相続開始前3年間という条件があるので、いざとなってからでは手遅れになります。